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一人旅のススメ

2人目の子どもを出産後、育児休暇に入った妻の休み期間もいよいよ終盤という頃。妻に育児から離れて自分と向かい合う時間でも設けてもらえればと思い、温泉宿への一人旅を勧めた。

そう思ったのは4月に実家の青森に久しぶりに単身帰省した時の経験から。家を出るなり1人の身軽さを感じ、完全に自分1人だけでの行動がとれることについつい浮足立ってしまったのだが、新幹線に乗り込もうと仙台駅に着くなり、ちょうど自分の子どもたちのような年頃の子連れ家族の幸せそうな休日の風景を見て、旅の序盤、即座に寂しい思いをしたのでした…。

話が逸れたが、子どもたちと妻と離れることでかえってその愛おしさが増した、この感覚を妻にもぜひ感じてもらいたい!という思いから、育休期間というこの先の人生の中で滅多にない貴重な時間のうちの少しだけでも、妻が自分のために過ごす数日があっても良いのではと、一人旅を勧めたのです。

一人旅と言っても壮大な冒険に出かけるわけでもないし、たった1泊、しかも宮城県内での旅行だったわけだが、一晩と翌朝の子どもの面倒を見るくらい、自分にだって全く問題なくできる。子どもからすると母親と父親の区別には大きなものがそれなりにあるとは思うが、彼らの生命を維持し危険を回避し安全に過ごすという最低限のことができれば保護者として何も問題ないだろう。

僕が唯一、子ども(2歳の上の子)から発せられる言葉のうち恐れるものがあるとすれば「ママがいい」くらいのものだ。まぁ、言われても意に介さなければ一晩などあっという間に過ぎる。

結局妻は宮城県内の温泉宿を選んだので、チェックインの時間までは家族4人で温泉宿の近くで遊んで過ごした。宿に子どもたちと一緒に妻を見送ってから、2人を車に乗せて家に帰った。車を走らせた直後こそ「ママと一緒がいい」というようなことを上の子は喋っていたけれど、ちょうどおやつを済ませた午後3時過ぎくらいの車中、やがて後部座席で寝息をたて、下の子も揃って寝はじめ、静かに家まで帰ることができた。

子どもたちを車に乗せて、妻のいるところから離れていくということになる車中は、なんだか自分としても新鮮な感覚だった。例えば同じように子ども2人を連れてドライブに出かけるとしても、どこかで引き返して妻のところに戻ってくるというようには、一時解散したとしてもやはり家族4人は常に行動を共にしているようなところがあって、しかし今回の自宅への帰路はたった一晩とは言え、彼らが自分たちの意思だけでは行動を起こして妻のもとに戻れないという側面も含めて、今までにない行動パターンをとっていたのだった。

帰宅して目を覚ましてからも上の子には何度か「ママはー?」などと聞かれて「今日はママ1人でお泊りだよー」などと受け答えしていたが、最終的には、完全にママじゃなきゃダメで泣きわめいてどうしようもないという状況にはならず、妻抜きの3人生活を無事に終えることができた。

子ども2人に夕食を与え、風呂に入れて、寝かしつけて、洗濯を済ませて夜を少し落ち着いて過ごし、下の子がミルクを欲しがって起きたらミルクをあげ、翌日は平日で仕事だったため、やがて自分も床に就き、子どもたちと父親だけでの朝を迎えた。

上の子が朝起きたとき、昨晩まで気になっていなかったけど目が覚めて「ママはー?」みたいなことにならないといいなーと思っていたが、それも問題なく朝の時間を順調にこなして、家も綺麗な状態で外出し、2人を保育園に送り届けて出社した。

妻は今頃1人で何を思って、どのように過ごしているだろうかと想像するのも楽しかったくらいだ。僕と子どもたち2人と過ごした少し緊張感のある夜だって貴重な機会だ。子ども2人見ててあげるから、たまには好きにしてきなさいというような、「してあげてる」気持ちでは全くなくて、妻には「こういう機会を作ってくれてありがとうね」という言葉をもらったけれど、僕としての正直な感情は、

 

こちらこそありがとう

 

と言いたい。です。家族の愛おしさに、きっと妻も、僕も、子どもたち2人も、みんな気がついたと思う。より強く。

旅から帰ってきた妻は、温泉宿の老舗の風情の美しさや、食事の美味しさ、温泉の素晴らしさを、自分なりの言葉で語ってくれたけど、なんだか1人で物足りなさを感じたかのような、そんな感じがした。

今度は、家族4人で温泉泊まりに行きたいね。