ポツネン氏の奇妙で平凡な日々

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仙台にポツネン氏がやってきた。平日夜の公演なのでいつもなら「まぁまた今度でいいかな」と積極的にチケット確保などしようとしないところを、妻が是非観に行きたい!とチケットを予約してくれ、見事行くことが出来ました。

仕事を早く上がらせてもらい、妻と待ち合わせて旭ヶ丘駅へ向かいます。会場は仙台市青年文化センターシアターホール。以前、この会場で「スピリチュアルな一日」という舞台を観に来たことがありました。その舞台には小林賢太郎さんの相方であるラーメンズの片桐仁さんが出演していて、拝見した当時、ついにラーメンズの一人を生で観ることが出来た。と思ったものでした。

それから時が経つこと3年、今回とうとう小林賢太郎さんを生で拝見する機会になるのだと思うと、開演前の椅子の上ではそわそわしっぱなしでした(冷房が寒かったのもあるけど)。

19時、いよいよ開演(以下ネタバレ含みますので閲覧注意)。

蝶の採集で偶然出会った「球根」とのコミュニケーション。組み立てたカメラの部品が足りなくて何故か異世界へとつながるエレベーター。無事見つかったパーツのお陰で完成したカメラでのもどかしい写真撮影のやりとり。ある日突然いなくなった「球根」を探す旅。おなじみハンドマイム。城と一体化して大樹となった「球根」。そして、、あれだけ探していた蝶に出会った直後、ぱくっと食べちゃう、モヤモヤするオチ(この下りは後のカーテンコールで回収)。

ポツネン氏の断片的な夢の世界を覗き見したかのようなコントの連続をつなぐ、象徴的な音楽・美しい映像・そして爆笑!それに、共演者と言って間違いないくらい堂々と出てくる黒子がいい味を出していました。全体的には笑うシーンが多く、涙を誘うようなシーンはなかったですが、最後に城に根をめぐらした大樹となった「球根」がラッパに合わせて葉っぱを散らすシーンはとてもキレイで感動しました。一番笑ったのはカメラとのやりとり。あれは面白すぎる!

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コント間には格言めいたセリフが映像に表示され、それがなかなか面白かった。覚えてるものをいくつか(うろ覚え)。

「ペットはかわいい。ペットにしてみれば飼い主もけっこうかわいい」
「人生が想像通りになるほど、人間の想像力は豊かではない」
「城を作ったのは王ではなく大工だ。ただし、王が大工の場合を除く」

昨年10月、東京のスパイラルで小林賢太郎さんの展覧会があり、観に行っていました。

海外でも公演するほどの内容なので基本的にはノンバーバル。擬音語、擬態語、呼びかけぐらいの声は出すものの、何かの名前を呼んだりしないので、小林賢太郎さんも最後のカーテンコールまで「言葉」を発しないのです。

無事コントが終わってカーテンコール後、本人の話し言葉での声を聞いた時、ようやく小林賢太郎さんが等身大になって目の前に現れたような気がしました。

会場を後にして家の近所の居酒屋で妻と感想を共有し合いました。公演中は笑えはするものの、当然自分は言葉を出せない。演者である小林賢太郎さんも演技の内容上「言葉」は出さない。このお互いの言葉を発することができない間、「笑い」というのが唯一許された心身を開放する手段なんだなーと、妻と会話をすることでようやく気づきました。その状況がさらに笑いを増強させている気もするし、それが狙いの一つだとしたら面白いな。

緻密に組み立てられた脚本、演出、ライブアクトが、ビシッ!とハマって、ひとつの作品になる。最後のオチにちょっとしたハズシを入れておいて、その会場の空気を楽しむ本人のちょっとした遊び。いやいや完璧過ぎる。ポツネン氏、また会えるかな。

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